亡くなった方(被相続人)のプラスの財産の中に、有価証券、特に株式が含まれていることがあります。

☛☛☛ マイナスの財産の調査方法について詳しくはこちらをご覧ください

しかし、被相続人が保有していた株式について、相続人が把握していないケースも多いです。

では、亡くなったかた(被相続人)が保有していた株式が不明な場合にはどうすればよいのでしょうか。

このページでは、被相続人の株式の調査方法ついてご紹介いたします。

亡くなったかたの遺品を確認する

亡くなったかた(被相続人)の株式は、遺品から確認できるケースもあります。

亡くなったかた(被相続人)宛ての郵便物や書類の中には、証券会社や信託銀行から届いた書類が含まれている場合があります。

また、預貯金通帳の入金履歴に、株式の配当金を受け取った形跡がある場合もあります。

証券保管振替機構(ほふり)に開示請求する

亡くなったかた(被相続人)の株式等に係る口座の開設先を確認したい場合には、株式会社証券保管振替機構(ほふり)に登録済加入者情報の開示請求をおこなう方法もあります。

証券保管振替機構(ほふり)とは

証券保管振替機構は、電子化された有価証券の振替等をおこなう機関であり、日本で唯一の保管振替機関となっています。略称で「ほふり」ともいわれます。

証券会社等から預託された株券等の保管業務のほか、株主が株券等を売買した場合、担保に差し入れた場合に株券そのものの受け渡しをせず、機構や証券会社等に備えられた口座振替による権利処理を行っています。

開示請求の結果、亡くなったかた(被相続人)に口座を開設している口座管理機関(証券会社・信託銀行)があれば、登録済加入者情報通知書に表示されます。

登録済加入者情報通知書「みほん」

https://www.jasdec.com/assets/download/ds/certificate/kaiji/kaijikekka.pdf

開示請求に必要な書類

証券保管振替機構(ほふり)に対し、相続人が亡くなったかた(被相続人)の登録済加入者情報を開示請求する際に必要な書類は以下のとおりです。

証券保管振替機構

登録済加入者情報の開示請求

https://www.jasdec.com/procedure/shareholders/disclosure/direct/

❶開示請求書

信用情報開示申込書には、以下の内容を記入します。

・請求者の氏名または名称・フリガナ

・請求者の住所(結果郵送先)

・請求者の電話番号

・相続人の氏名または名称・フリガナ

※ 請求者と相続人が同じ場合には「同上」と記載

・株主(被相続人)との続柄

・株主(被相続人)の氏名または名称・フリガナ

・株主(被相続人)の生年月日

・株主(被相続人)の住所

https://www.jasdec.com/assets/download/ds/certificate/kaiji/seikyusyo2.pdf

登録済加入者情報開示請求書 記載例 1/2ページ
登録済加入者情報開示請求書 記載例 2/2ページ

❷法定相続人の本人確認書類

法定相続人の本人確認書類として、以下のいずれか1つの書類のコピーを用意します。

・運転免許証(運転経歴証明書)

※ 表裏両面 有効期限内のもの

・各種健康保険証

・個人番号カード(マイナンバーカード)

※ 表面のみ

・国民年金手帳(表紙が青色のもの以外)

※「表紙」と「氏名・住所」の記載があるページ

・各種福祉手帳

・パスポート

※ 顔写真ページと所持人欄ページ

・在留カード又は特別永住者証明書

・住民票(発行から6カ月以内)

※マイナンバー記載なし

※外国籍の方は国籍の記載あり

・印鑑登録証明書

❸法定相続情報一覧図または相続人と被相続人の関係を示す戸籍等

相続人と被相続人の関係を示す書類として、以下のいずれかを用意します。

・法務局発行の法定相続情報一覧図のコピー

☛☛☛「法定相続情報一覧図」について詳しくはこちらをご覧ください

または・・・

・戸除籍・改製原戸籍謄抄本等のコピー

※ 相続人と被相続人の関係により異なります。

❹被相続人の住所の確認書類

被相続人の住所の確認書類として、以下のいずれかを用意します。

・本人確認書類

※ と同様、被相続人に関するもの

・住民票の除票

・戸籍の附票

※ 本籍欄の記載(本籍地)では、住所の確認はできません。

・株主(被相続人)宛ての株式関係書類

必要書類が揃ったら「株式会社証券保管振替機構開示請求事務センター」に郵送します。

必要書類の不足や記入の不備等がないことが確認されると、開示請求結果である「登録済加入者情報通知書」が、請求者の本人確認書類上の住所に代金引換(簡易書留)で届きます。

まとめ

☛ 株式の有無が分からない場合は証券保管振替機構(ほふり)に開示請求を

新NISAのスタートにより、証券会社を通じて上場株式を保有するかたは増えていますが、相続人がそのすべてを把握しているかといえば、そうではないことも多いです。

被相続人が株式を保有していたかどうか分からない場合は、証券保管振替機構(ほふり)に開示請求をおこなうことで、被相続人名義の口座がある証券会社や信託銀行を一括で確認することができます。

なお、非上場株式の場合には、証券会社は関与していませんので株式を発行している企業との直接のやり取りになるので注意が必要です。

☛☛☛「相続財産の調査 ~借金・債務編~」について詳しくはこちらをご覧ください

☛☛☛「亡くなったかたの生命保険契約の調査方法」について詳しくはこちらをご覧ください

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