亡くなったかたの生命保険契約の調査方法
亡くなったかた(被相続人)の生命保険について、相続人がそのすべてを把握していないケースも少なくありません。
保険証券や郵送物は見当たらない、被相続人の預貯金の通帳を確認しても保険料が引き落とされていた形跡は確認できない、といった場合でも「実は生命保険契約があった」というケースもあります。
生命保険は、被保険者、保険契約者(保険料の負担者)、保険金受取人の3者で構成されます。
例えば、亡くなったかた(被相続人)が被保険者で、亡くなったかた(被相続人)が契約していた(保険契約者)生命保険の死亡保険金は、保険金受取人に受け取る権利が発生します。
※ 生命保険の死亡保険金は、受取人固有の財産であるため、相続財産には含まれません。
※ ただし、仮に、保険金受取人が亡くなったかた(被相続人)であった場合には、その死亡保険金の請求権は亡くなったかた(被相続人)の相続財産に含まれます。
このページでは、亡くなった方(被相続人)が保険契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無を、生命保険会社に確認する方法ついてご紹介いたします。
生命保険契約照会制度
亡くなったかた(被相続人)の生命保険契約の調査方法として、生命保険契約照会制度(せいめいほけんけいやくしょうかいせいど)を利用する方法があります。
生命保険契約照会制度は、一般社団法人生命保険協会が運営する制度で、亡くなった方(被相続人)が保険契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無を、生命保険協会の会員になっている生命保険会社に確認する制度です。
一般社団法人生命保険協会
「生命保険契約照会制度」
https://www.seiho.or.jp/contact/inquiry/
「会員会社一覧」
調査対象となる亡くなったかた(被相続人)を「照会対象者」として、調査を依頼する相続人を「照会者」、照会者のうち実際に手続きをおこなうかたを「照会代表者」といいます。
照会者が1人の場合は、照会者=照会代表者となります。
照会に対する回答イメージ
調査対象となる契約は、照会受付日現在有効に継続している個人保険契約で、死亡保険金支払済、解約済、失効等であるものは含まれません。
亡くなった方(被相続人)の死亡日まで最低3年間は遡って調査されますが、財形保険・財形年金保険、支払いが開始した年金保険、保険金等が据置きとなっている保険は対象外です。
照会に必要な書類
一般社団法人生命保険協会に対し、相続人が生命保険契約照会制度を利用した調査依頼をおこなう際に必要な書類は、以下のとおりです。
❶照会代表者の本人確認書類1点
照会代表者の本人確認書類として、以下の資料から1点を用意します。
・運転免許証または運転経歴証明書のコピー
・各種健康保険証のコピー
・マイナンバーカード(写真付表面のみ)のコピー
・住民票(発行日から3カ月以内)
・印鑑登録証明書(発行日から3カ月以内)
❷照会者が法定相続人であることが確認できる書類
以下のいずれかを用意します。
・法務局発行の法定相続情報一覧図の写し
☛☛☛「法定相続情報一覧図」について詳しくはこちらをご覧ください
または・・・
・戸除籍・原戸籍謄本や住民票の除票
※ 照会者(法定相続人)との続柄により異なります。
❸照会対象者の死亡が確認できる書類
・死亡診断書
※ ❷で照会対象者の死亡が確認できる場合は不要。
まとめ
☛ 亡くなったかたの生命保険契約の有無は生命保険契約照会制度で照会可能
☛ 生命保険契約照会制度は代理人による照会が可能な場合がある
法定相続人による開示請求が原則ですが、法定相続人の任意代理人(弁護士・司法書士・行政書士のみ)や法定代理人(親権者・後見人)による開示請求も可能です。
この制度を利用した結果、生命保険契約の存在が確認された場合には、照会者から各生命保険会社のコールセンターに契約内容の照会や請求の手続きをおこなうことになります。
☛☛☛ 「相続財産の調査 ~借金・債務編~」について詳しくはこちらをご覧ください
☛☛☛ 「相続財産の調査 ~株式編~」について詳しくはこちらをご覧ください
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