サブスクの契約者が死亡したのに請求が止まらない

ケーススタディ:相続~契約中のサブスクが残っていた~

ようやく相続の手続きが終わって落ち着いた、と安心していたら、サブスクの契約が残っていたというケースがあります。

亡くなったかたが生前、サブスクの契約をしていると、解約の手続きをしないと請求が止まらない場合があります。

サブスクとは?

サブスクとは「サブスクリプション(subscription)」の略語で、「定期購読」「継続購入」を意味しており、定額でサービスの利用ができる代わりに一定額が自動的に課金されるサービスをいいます。

サブスクには、動画や音楽配信、漫画や小説といった電子書籍・オーディオブック、飲食やスポーツジム、食品や洋服、家具・家電、自動車等、様々なサービスがあります。

サブスクの請求が止まらない

サブスクの利用料は、月額制や年額制で支払うサービスがほとんどで、支払方法はクレジットカード払いや口座振替などが一般的です。

利用料の支払いが滞ればいずれは自動的に解約となるサービスもありますが、正式に解約しない限り課金が止まらないシステムになっているサービスもあります。

つまり、亡くなったかたがサブスクの決済手段としていたクレジットカードや、口座振替に使用していた金融機関の預貯金口座を解約しても、サブスクの請求が止まらない場合があるのです。

故人のサブスク契約を無事に解約した事例

妻Bさんが半年前に亡くなり、夫AさんはBさん名義の預貯金の相続手続を終えてひと安心していました。

ある日、Aさんが外出先から帰宅し郵便ポストを確認すると、クレジット会社から亡くなった妻Bさん宛てに手紙が届いていました。中身を確認すると、なんとそこには「引落不能」の文字が。

Aさんは、亡くなった妻Bさんの預貯金の口座はすべて解約していたため、まだ解約が済んでいないクレジット会社からの請求分として「引落不能」であったことは理解できました。

しかし、請求の内容が分からなかったため、Aさんは妻Bさんのスマートフォンに何か手掛かりがないか、見てみることにしました。すると、Bさんのスマートフォンには音楽配信アプリがダウンロードされていることが分かりました。

音楽配信アプリについて調べてみると、元は海外発のサブスクであることが分かりましたが、電話やメールでの問い合わせ先はありませんでした。試しにSNSのDMで連絡してみると、幸運にも返事がありました。

その後は何度もやり取りを繰り返して、苦労してようやく解約することができました。

まとめ

☛ サブスクは契約者が死亡しても自動的に解約とはならないことがある

☛ 通帳の履歴やクレジット明細、スマートフォン等からサブスク契約を特定する

サブスクは契約者が死亡しても自動的に解約とはならない場合があり、また、解約の手続きをしないと請求も止まらない場合があります。

もし契約中のサブスクがある場合には、自身の契約しているサブスク契約について、情報を整理して家族等で共有しておくことが、将来、遺された家族に負担をかけないことに繋がります。

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